陸王

横浜は馬車道で開催されていた"HARLEY THE HISTROY展"なるものに行ってきた。
もちろん、このクソ暑いなかを二輪で行くはずもなく、涼しく快適なクルマで。

この建物は某銀行の旧社屋を再利用して、こうした展示会スペースとして利用しているらしく、かなり懐古的な外観をしている。


今日に限ってはそれほど客足が多くもなく、ゆっくり見て回れた(と云っても一時間程度で全部見て回れるのだが)。
中に入っていくと、こうして旧車が六台ほど展示されており、けっこう古いモノにも関わらず、よくもこの状態で保存されているものだ...と感嘆することしかり。



このなかで特に目を引くのがこの車種。
側車つきで、いまから90年以上前、日本では大正時代にあたる1917年式とのこと。
ちなみに、いまでもバイクのことを「単車」と呼ぶのは、この側車がない状態を指して「単車」と呼んでいた名残であるとのこと。

説明書きを読むと、こんなのでも排気量1,000ccとのことで、れっきとしたリッターバイク。
ただ一方で、その大きさゆえに一瞬は「おおー」と思わされるものの、よく考えると米国には小さいモノを造る技術がないんじゃないかという気も。


ほかにもこまごまとした雑誌類なども展示してあり、そのなかには戦後間もないころのオートバイ雑誌や「陸王」なるものの取説などが。
見出しの書体などが、まさしく古き昭和を感じさせる。



今回、わざわざこうして足を運んでまで見たかったのが、この「陸王」なる国産ハーレー。
シートのすぐ下に緩衝のスプリングが剥き出しになっているあたり、旧車マニアにはたまらないのだろう。
(ちなみに私は、旧車の魅力についてはまったく理解できないのだが)



速度計にはいちおうオドメータも装備されている。
現代のものと明らかに違うのは、0の位置が左上にあって、そこから針が左回りに動くようになっていること。
実際に走って見たとすると、かなり違和感を感じることだろう。
また、特に説明も添えられてなかったので、その下の左右に動くと思しき計器がなんなのか、正確なことはわからなかったが、おそらく燃料計だろう。
さらにタンク横の"Rikuo"のロゴについては、古き昭和の産物にしてはわりかし洒落ていると思えた。


ほかにもいろいろ展示されていたが、だいたいこんなところである。
この日はこの界隈で花火大会が催されたらしく、着慣れぬ様子の浴衣姿の緩みきった表情のカップルと、雑踏警備の警察官の姿がちらほら散見されはじめており、ヘタに長居して周辺道路の交通規制にひっかかってはたまらんと、一目散に横浜を脱出したのだった。