秀作

ウルトラセブン1967 [DVD]

付属のDVDには初めて視る素材が数多く含まれ、資料的価値は極めて高い。
ただ、やはり時代が時代なだけに、素材そのものがチンケであることは否めない。
特筆すべきは、当時消費者向けに8ミリフィルムのフォーマットで販売されていたという映像。
モノクロで無声、しかも全編が収録されているわけでもなく、こんなものが商品だったということ自体、デジタル全盛の現在では考えられないほどのお粗末さ。

また、私の就学前の時代くらいまではたしかに存在しただろう「ソノシートドラマ」の音源も収録されている。
これは実際の出演者本人の録音によるもので、商品的価値は高いと思うが、収録されているドラマ自体はあまりにも設定を無視した子供だましの運び。
しかももともとが音声だのみのソースなので、画面には同内容のマンガが映し出されるという苦肉の作りとなっている。

いずれにしても、これらのソースは実に微笑ましいとしか云いようがない。
ただ、当時それらを入手できる環境にあった子供はそう多くなかったに違いないし、こうした消化不良気味の環境こそが、人間のハングリーさを育成するのかもしれないとも思える。
ぜひとも一度お見せしたい逸品である。