不覚その壱

私はドメスティック野郎なのか、入浴のときはシャワーだけではダメで、きちんと浴槽に浸かって疲れを取りたい。
一方で、このヤサの居住者が浸かる延べ時間は、長くともせいぜい30分というところ。
しかし毎日120リットルものお湯を張るわけだから、それっぽちの実用時間ではあまりにも勿体ないので、入浴がすべて終わると電動ポンプとホースで洗濯機へ湯を汲み上げ、一発目はそれで洗濯する。
自動タイマーをセットされた洗濯機は、通常であれば開始時刻に水を入れ始めるのだが、こうしておくことで、機械のくせに躊躇っているかのように「あれ?もう入っているじゃないか」とでも云わんばかりに水の供給をストップさせ、おもむろに洗濯槽を回転させ始める。
この様子を直に目にすると「全自動とは云ってもしょせんは洗濯機、下等な機械よのぉ...」と、人間サマの叡知の勝利!という優越感に浸ることができる。
ところが今日の場合、このことで取った不覚。
やはり下等な機械なので、洗剤や柔軟剤の供給までは自動で行わないので、セットのときにそれらを所定のところに仕込んでおかなければならない。
最近は両方ともボトルからキャップに移して注ぐ液状のタイプのものを使っているため、仕込みの動作が同じになるのがイケナイのだろう、うっかり柔軟剤のところに洗剤を入れてしまい、湯でジャアジャア洗い流すハメに。
しかも柔軟剤は先に入れてしまっていたので、両方とも一回分をただムダに流さざるを得ないこの愚行...
いつもは下等と見下している洗濯機のせせら笑いが聞こえるようで、なんともブルーになった瞬間である。

実は今日の不覚はもうひとつあるのだが、これはまた別の機会に譲ることとする。