同窓会というほどではないが


大学のときに同じクラスだったヤツのトコに子供が産まれたという口実にて、横浜市内のそいつの家を訪ねるという集まりが企画されたのに行ってきた。

わが愛車によるナビゲーションの案内だと、環状八号線経由で第三京浜に乗れとのコト。
しかしそこまでの国道がそこここで渋滞しており、電車で行く手段を選択しなかった自分を呪う。

その家へ行く前に新横浜駅で合流して昼食を摂るということになっていたが、結局周辺まで行くのに三時間弱かかってしまったので、そんなものにはとうてい間に合うはずもなく、家へ直接行くことになる。


今回集まったのは私を含めて四名で、オトコは私だけ。
オトコの場合だとそれほど感じないのだが、特に女性の場合、こうしてときどきしか会わないヒトというのは、その容姿を学生時代か、もしくは最後に会ったときのイメージでしか憶えておらず、会うたびに時の流れの無情さを痛感させられるものである。
特に今回の場合のように、だれかの家で集まるとなると、回想の念にかられて学生当時の写真などを見ることになりがちで、それがまた几帳面に時系列にファイルされていたりすると、自分に関しても同じコトを感じさせられるわけだが...


帰りは全員をクルマに乗っけて、それぞれ送り届けることに。
あちこちにクルマを走らせることを私はほとんど苦に感じないし、近況などいろいろハナシも尽きないので、実に楽しい時間であった。


帰りのドライヴの最終目的地は八王子であった。
ホントは今回、私としては、行けるヤツでだけでも帰りにどこかで呑むことを提案していたのだが、みな家庭や子供があり、やはり実際問題としてなかなか難しいとのことでかなわなかった。
それが仕方ないことと理屈ではわかっていても、そのことで正直、今回の集まりに行くモチベーションがちょっと下がっていた。


ところが最後に送っていったのが、学生当時からいままでずっと変わらぬ「イイ女」だったというのが、私のネガティヴな気分を一掃した。
さて次はアナタですね、と思いながら彼女の住む場所へカーナビをセットしようとするも「案内するからイイよ」と彼女は云う。
それなら、と私も特に異を唱えず、方向感覚だけでクルマを走らせる。
そんなだから、どこを走っているかもかなり適当だし、いろいろ話しながら運転しているので、道の案内標識などは実際ぜんぜん目に入っていない。
途中で気づくと、もと来た方角へ戻っており、あらら...などと云いながら、最終的にカーナビに頼ることに。
このシチュエーションがまったく義務で送らされていたのなら、とっくに私も発狂するところだったが、彼女と一緒にクルマに乗っている時間が延びてむしろ嬉しかったりする。


途中で彼女が「お腹空かない?どっかでなにか食べない?」と云うので「そうだねえ...」と云いながらも、それまでのいろいろなハナシのなかで「姑が夕食を用意して待っている」というフレーズが出てきたのが気になり、「それだったらやっぱ、早く帰って喰ったほうがイイよ」などと良いヒトぶって、思っているコトと反対のことを云ってしまう。

そんなこんなで22:00を少し過ぎたころ、彼女を無事に送り届け、私はわがヤサへクルマを走らせる。
ひとりになったら急にさみしくなり、おまけに腹が減ってきて「しまった...!」と後悔したのは云うまでもない。

八王子からの帰途ではわが母校の近くを通ったこともあり、気持ちが大学時代にフラッシュバックして、なんとなく甘酸っぱい気分になったドライヴだった。
私がニヤニヤしながらガラガラの高速道路をぶっ飛ばして帰ったなんて、だれにも云えないのでここに記しておく。