一日遅れでサンタ降臨


この五月に見かけて以来、コイツが琴線に触れ、コトあるごとに欲しい欲しいと唱えていたのがようやく現実にわが手元に。
しかし、10時10分40秒にするなんて、われながらいかにもヤラセっぽいと思う)

腕時計を初めて持ったのが10歳のときで、それは父が電車に落ちていたのを拾ってきたものだった。
それは80年代に市場を席巻したデジタル・ウオッチで、時刻表示とストップ・ウオッチと日付表示の機能があり、小学生の私の目にはとても高級なモノに映ったが、実際はかなり安いモノだったのだったのだろう。
電池が切れており、おそらく落としたというよりは棄てられていたようで、そのうえ、なぜかバンドがついていなかったので、それを買い足して電池を入れてもらって喜び勇んで使っていたが、いま考えると、そんなものよく着けていたものだと思う。

その後何度か買い換えたりしたが、これまで腕時計に関しては「コイツはイイ」と思って買った憶えがなく、唯一大学生のときにちょっと気に入って衝動買いしたものも、なぜかバイト先で紛失してしまった。
あのときはしばらくしてそのことに気づいて、翌日同じ場所を必死に探したが見つからず、思うになにかのはずみでゴミ箱に入ってしまい、そのまま廃棄処分された可能性が非常に高い。
もう一度同じモノを買おうと思ったが、おそらくデッドストックかなんかのモデルをたまたま買ったかなにかで、すでにどの店にも置いておらず、カタログのラインアップからも消えてしまっていた。

ここ数年着けていたものも、何度かバンドを付け替えたり電池交換をしたりしてわりと長年使ったが、このタイミングで電池切れになってしまったのが、今回の仕儀に至った直接の理由。
実際、わざわざ自慢するほど高級なものではないが、いちおう七ヶ月越しに入手したということと、なによりサンタからもらったということで、向こうしばらくは大事に使っていければと思っている。