北へ 15:20

搭乗口へ行く前にくぐる金属探知器で、私は案の定「キンコーン」と鳴ってしまい、周囲に一気に緊迫した空気が。
原因はジーンズのポケットに入れていた携帯電話だったはずだが、係員にはそれを渡したうえに靴も脱ぐように云われ、程度は低いものの、なんとなく犯罪者にされた気分に。
また、いつでも搭乗口に行けるからというゆとり感にかまけていたうえに、こんなところでつっかえたものだから、その便に搭乗した最後の乗客になってしまうという、ちょっと恥ずかしいスタートを切る。


さて、期待して搭乗したClass Jではあるが、乗った機体そのものがそんなに新しいものではなかったようで、想像していたほどの高級感はなかった。
たしかに宣伝文句どおり、通常のシートより前後の幅が16cm広くとってあるとのことで、なんとなく広いかな、という程度。

そして乗った便が滑走路の順番待ちの都合で、予定より20分遅れで離陸することに。
「当機はすべての離陸準備が整っておりますが、先ほど離陸した他社の便の無線に不具合があり、管制塔から次の機の離陸許可が下りません。お急ぎの方には大変ご迷惑をおかけしますが...云々」という機長の云い訳がなんともイカしている。
このアナウンスの行間に「飛べないのはウチのせいじゃないから、オマエら文句云うなよ」という無言のメッセージを読み取ることができ、飛行機のパイロットってのはいわゆるカッコイイ職業ではあるが、やっぱり会社員なのだなぁと思わされるエピソードである。