五時間呑む

昔からの友人と呑む席にはとてもよく合うムカシ話に華を咲かせるには、それでも時間が足りないくらい。
「人間とは、これすなわち累積の生き物である」などと、偉そうな学術めいたことを考えたのも、そうとう酔っぱらったせいであろう。
いよいよ日付も変わるころ、友人と別れてひとりになると急に睡魔が襲ってきて、帰りの電車では爆睡。
それでも不思議と乗り過ごすことなく無事に降りることができ、駅からヤサへ向かう。
しかし歩いているというのに目が閉じてきて、その歩みはまさに千鳥足だったに違いない。
それでも、火曜日発売の「週刊プレイボーイ」が、翌日になると店頭からなくなってしまうことだけはしっかり意識していたようで、よせばイイのにコンビニに立ち寄り、朦朧とした意識と闘いながら立ち読み。
ふたたびフラフラと帰途に着く。
歩けど歩けど前に進んでいない感じがもどかしい。
這々の体でようやく帰着したが、当然のことながら入浴する気力も残っているはずもなく、着ているものを脱ぎ捨て、そのまま速攻で眠りに堕ちた。
朝起きると、案の定二日酔いで頭痛。
そして昨夜のレシートを見ると、私は生ビールを五杯呑んでいた。
一時間に一杯というペースは、多いのか少ないのか。
ここ最近、前の晩の呑みがずいぶんと残るようになった。
もしかするとアルコールの分解能力が低下していて、弱くなったのかもしれない。
それでも、その場の楽しさに流されてどんどん呑んでしまうあたりが、本当に自分で愚かしく思う。
かたや以前のように「もう酒は呑まねぇ」とは、あまり思わなくなってきた。
そして今日も、帰るやいなやビールを流し込んで「あー美味い!」と云っている自分がアホに思えるが、これがやめられないのが、また困ったものである。