小学生のころの記憶

ふと思い出したある日のヒトコマ。
通学路沿いにあった「ミナトヤ」という酒屋のところにはいろんな酒の空き瓶がまとめて入れてあるケースが積んであった。
おそらく定期的に廃棄処分するためにそうしてあったのだろうが、だれでも簡単にそこから取って持っていける状態だった。
ある日の帰り道、その店先を通りかかると、顔も名前も知らないが、同じくらい年代の連中三人くらいが店先にウンコ座りをして「ビールいかーすか?」と道行くヒトに声をかけていた。
見ると彼らの手には、そのワンカップの空き瓶にたしかにビールっぽい液体が入っていた。
なぜ小学生がビールを?と一瞬思ったが、実はそれは連中の小便だった...!
いま思うとあまりにバカバカしいし、誉められた行為ではないが、場所が酒屋の店先というあたりが非常にアイロニーに富んだいたずらだと思える。
そして連中の顔は思い出せないものの、なぜだかあのビンの中の黄色い液体と白い泡状のものが、鮮明に記憶に焼きついているのはなぜだろうか。